日本の高齢化率の上昇は、実は高齢者(分子)の増加ではなく、総人口(分母)の減少によってもたらされています。実は人口減少こそが日本の真の課題なのです。
高齢者数はこれ以上はあまり増えませんが、しかし、高齢者の中での高齢化=重老齢化が進行し、医療依存度が急速に高まる75歳以上は+15%、介護依存度が急速に高まる85歳以上は40%増加すると予想されています。2040年にかけて生産年齢人口は1200万人も減少すると予測されていますが、少ない人数で、より多くの医療介護ニーズに応えていく必要があります。
特に深刻なのは人口減少地域です。
人口が減少する=患者・利用者が減少すると、サービス提供体制そのものが維持できなくなります。たとえば1つの診療所の経営を維持するためには住民3500人が必要ですが、日本にはそれよりも人口の少ない自治体が多数存在します。今後の人口減少の加速で、さらに増えていくことが予想されます。
それぞれの地域に一通りのサービスが準備できない状況で、いかに地域住民の安心と安全を守るのか。離島・過疎地や途上国などで先進的な取り組みをしてきた5人の専門職からそのヒントを探ります。
夏の北海道で、日本の地域医療やケアの未来を一緒に考えてみませんか?