■テーマ
地域医療と介護のこれからを考える
ー2040年の日本と世界を俯瞰するー
■概要
日本における医療や介護のこれからに対して悲観的な見方をする人は少なくない。
介護専門職は慢性的な不足状態。
2040年に向けて70万人の不足が予測されるが、生産年齢人口は1200万人も減少する。
財源は不足、待遇改善は進まない。介護職の高齢化も進む中、果たして必要なマンパワーが確保できるのか。
介護の社会化が進まないことによる介護離職はいまだに大きな問題。
「ビジネスケアラー」という言葉も生まれ、家族の介護負担で10兆円の経済損失が生じているという報告も。
医療保険も財源は厳しい。
社会保障予算の伸びは抑制され、医療の高度化に伴う支出増をカバーしない。
低く抑えられた薬価の影響で日本では販売されない新薬も増えている。
医師不足を見越して医学部定員は増員されたが、保険診療の未来に見切りをつけてか、今年の医師国家試験合格者のうち100人は保険医を選択せず。
彼らを含め今年だけで500人が自由診療の世界に転出。
大学病院でも内科や外科の研修医は急減、診療科の維持が困難なところも出てきている。果
たして「医師不足」は解消されるのか。
超高齢化に伴う疾病構造の変化・医療ニーズの変化に応えられていない、というのがこれまでの課題認識。
そこに少子化・人口減少、財源と人材の不足などネガティブな材料が加わり、さらに見通しが悪くなっているようにも感じる。
一方で、テクノロジーの進化、高齢者の長寿化・健康寿命の延伸・意識の変化、そして専門職や自治体の認識の変化など、プラスの材料も出てきている。
日本が直面している現状は、日本だけのものではない、日本以外の国々もいずれ直面する世界共通の課題。
中には、国民皆保険もなく、介護保険もないままに高齢化に立ち向かおうとしている国々もある。
よりよい未来を開拓していくために、悲観して思考停止するだけではなく、海外の取り組みからも学びつつ、よりよい未来をどう選択していけばよいのか、考えてみたい。
■登壇者
◎高山義浩(沖縄県立中部病院 感染症内科・地域ケア科/医師)
福岡県生まれの医師。
1995年東京大学医学部保健学科卒業後、フリーライターとして世界の貧困と紛争をテーマに取材を重ねる。
2002年山口大学医学部医学科卒業。2004年より佐久総合病院総合診療科にて地域医療に従事。
2010年より沖縄県立中部病院において感染症診療と院内感染対策に従事。
また、同院に地域ケア科を立ち上げ、主として急性期や緩和ケアの在宅医療に取り組んでいる。
新型コロナウイルスの世界的流行を受けて、2020年3月より厚生労働省参与。
2021年9月より2023年3月まで沖縄県政策参与。2023年10月より内閣府規制改革推進会議専門委員。
主な著書
日本医事新報社:『高齢者の暮らしを守る 在宅・感染症診療(2020年)』
医学書院:『地域医療と暮らしのゆくえ 超高齢社会をともに生きる(2016年)』
産経新聞出版:『ホワイトボックス 病院医療の現場から(2008年)』
白馬社:『アジアスケッチ 目撃される文明・宗教・民族(2001年)』
◎佐々木 淳(医療法人社団悠翔会 理事長・医師)
筑波大学医学専門学群を卒業後、三井記念病院内科・消化器内科、東京大学医学部附属病院消化器内科等を経て、2006年に当時まだ数少なかった24時間対応の在宅総合診療を行う診療所を開設。
以来、在宅医療をリードする存在となる。
2008年に医療法人社団悠翔会として法人化し現職。
現在、首都圏および沖縄県に18の診療拠点を展開。
主な著書
医学書院:『在宅医療カレッジ 地域共生社会を支える多職種の学び21講』
池田書店:『現場で役立つよくわかる訪問看護 アセスメントとケアに自信がつく!』
飛鳥新社:『在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい』
日本医療企画:『Re:CAREポストコロナ時代の新たなケアのカタチ』
■進行スケジュール
・講演会 高山義浩先生(沖縄県立中部病院 感染症内科・地域ケア科/医師)
・高山先生×佐々木淳 対話会
■主催
NPO法人Life is Beautiful
■協賛
・株式会社gene
・ひろいし歯科クリニック
・医療法人純康会徳地歯科医院
・ケアショップハル
・株式会社とよみ
・株式会社Link Heart ヴィータ訪問看護ステーション
・株式会社日進FULFIL ・プロタッグ・パートナーズ(税理士法人)國場事務所
・医療法人清藤クリニック・株式会社aba
・株式会社アーチ在宅リハビリテーション研究所
・株式会社おおきに
・株式会社ワンダーラボラトリー
・株式会社コンピュータ技研
・合同会社月と日と